テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

冬の旧線ハイキング!福知山線を歩く。 ①

日本各地には様々な理由でその役目を終えた鉄路が存在しますが、その跡地の活用方法は、それもまた様々。
住宅などが立つこともあれば、バス専用道やサイクリングロードに整備される例もあるし、観光用に線路を残して利用しているところもあります。

兵庫県を走る福知山線の、武庫川の渓谷に沿って走っていた生瀬~道場間は、輸送改善を目的に、1986年に新線に切り替えられました。
これにより廃線となった旧線後は、特に何かに利用されることなく最近まで残されていましたが、廃止から20年の月日が経った2016年の秋に、ついに正式なハイキングコースとして整備されました。(生瀬~武田尾間のみ)

そんなハイキングコース、前々から訪れてみたいと思っていたのですが、昨年末にようやくその機会を得ましたので、今回はそれについて書いていこうと思います。


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相方とお散歩がしたいと話していたこの日。
ふと思いついて、この旧線区間へとやってきたのでした。
スタート地点は宝塚からひと駅、生瀬駅です。

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旧線は生瀬駅よりやや宝塚寄りの地点で現在線と分岐しており、かつての生瀬駅も現在の駅より一段低い位置に存在しました。
そのため、駅を出て国道176号線を歩き始めると、さっそく旧線の名残が現れます。
沢を越える小さな橋で、石積みの橋台が目立ちます。
奥に白く見えるコンクリート製の構造物が、現在線になります。

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もう少し進んだ、大多田橋交差点から。
321系が渡っている現在線の手前に、よく見るとトンネルを埋め戻した跡と、橋台が見受けられます。
このトンネルは城山トンネル。
トンネルの付近の斜面は保護工事が施行されており、トンネルポータルもほぼ失われています。

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そのまま176号を進んでいくと、一見廃線後は見当たらなくなります。
しかし、ある程度歩いて振り返ると、この通り。
よく見ると、トンネルが残っているの、わかるでしょうか。
こちらは当田トンネルで、ここで一気に新線から離れる形になります。
写真では右手に写っている法面の上に路盤があり、詳細は分かりませんが、何か工事が行われていました。

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旧線の路盤と176号の高さがだいたい同じになるあたりから、旧線後は一旦完全に途絶えます。
国土地理院の空中写真を見るに、旧線はこの辺りで武庫川の谷に向けて下り勾配になり、176号をくぐる線形になっていたようなのですが、176号やその周辺の改良・開発に伴い埋められてしまったようで、かろうじて一部凹地にその名残を感じることができるか否かといった感じです。

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木之本バス停前の交差点付近から、やや分かりにくい案内板に沿って細い道に入っていくと、坂を降りた先に、再び旧線跡が現れます。
現在では完全な壁と盛り土になってしまっていますが、かつては奥に見える176号の下をくぐり、中国自動車道の橋脚奥に写る、一つ前の写真の場所あたりに繋がっていたようです。

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整備されたハイキングコースの入り口には、このような看板が。
山間の渓谷に沿って敷かれた線路跡、トンネルも多ければ、落石の危険性も少なくありません。
自己責任、その言葉をしっかりと考えて進みましょう。
西日本旅客鉄道株式会社と書いてあるということは、今でも土地の所有はJRのままということなんでしょうね。

ハイキングコースに入るまでにも、すでに見所満載の旧線跡。
武田尾まではそこそこ距離がありますが、根気よく歩いていこうと思います。

続きます。