やっぱりモノを書きたくなって、
初めまして。
……もしも「電車小僧の鉄道日記」を少しでも覗いていだだいたことのあった方は、ご無沙汰しております。
2019年の秋に、北海道旅行の記事を書きかけのまま、すっかりブログから遠のいていました。
ブログ名も変えましたが、Yahoo!ブログ時代からの記事はそのまま残していますので、
お目汚しですが、気が向いたら読んであげてください。
再開、というより、新たに始めるという気持ちで、少し自己紹介させてください。
2012年から、Yahoo!ブログで「電車小僧の鉄道日記」を書いてきました。
始めた頃は高校生で、通学で使っていた阪急電車の話が多いブログでしたが、
しばらくして大学生になり、学生らしく行動範囲が広がり、
記事も旅をした話が中心になっていきました。
しかし、そこそこ忙しく大学生をやっていたこともあり、少しずつ更新頻度が落ち、
Yahoo!ブログの終了と共に、一層ブログを書く意欲を失ってしまいました。
とはいえ、これまでの記事が消えてしまうのも惜しく、
はてなブログに引っ越して、少しだけ更新を続けたりしてみましたが、
あまり意欲が戻らないまま大学の卒業研究&論文が忙しくなり、
とてもとても中途半端に筆を置いてしまいました。
それから1年半。
いつまで経っても何がなんだかわからないウイルスに世の中は大きく変えられ、
私は卒業式が中止になって締まりがないまま学生生活を終え、社会人になりました。
ありがたいことに、自分の好きなことを仕事にして、
少し未来に不安がないわけでもないですが、そこそこ平和に暮らしています。
もうブログをやることはないかな、と思っていましたが、
度々、やっぱり文章を書きたい!という気持ちが湧くことがありまして、
今はまさしくその波が最高潮に来ているところです。
その勢いで、いま、これを書いています。
ある「テツの箱」をつくる道を進む私の、気まぐれな日記。
書きたい欲の波に乗れるかはまだわかりませんが、
もしふとした時に更新に気づかれたら、覗いていってください。
どうぞ、よろしくお願いします。
夏の北海道満喫旅行 ⑦
旭川から一気に小樽までやってきました。
旅も最終日。時間が許す限り、小樽を楽しみ尽くします。
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せっかく素敵なホテルに泊まったので、朝ものんびり過ごしつつ、
それでもうかうかはしていられません。
ホテルに大きい荷物を預けて、まずは朝ごはんを探しに行きます。
目指したのは、小樽駅近くの小樽三角市場。
すでに観光客で賑わう市場で、贅沢に海鮮丼を食らいました。
私ひとりの旅だとこういうものはなかなか食べないのですが、今回は食への愛が深い相方と一緒なので、店選びは任せておけば、幸せなものにありつけます。
最終日・食べまくりの日。開幕です。
修学旅行で小樽へ来た時にもちらっと寄りましたが、今の手宮線は「映えスポット」として、昔以上に大にぎわいの様相を見せていました。
相方は「映える」写真を、私は廃線跡の記録を。
オタクとオタクならざる者が楽しく共存できる空間でした。
北海道の玄関口であり、戦前には港都として栄えた小樽には、当時の面影を残すの歴史的な建造物が数多く現存。
この日銀小樽支店の建物は1912年(大正元年)に建てられたもので、現在は日銀の資料館として使われています。入場料は無料だそうで、今回は時間の都合でパスしましたが、なかなか気になるスポットです。
周辺には同じくかつて銀行として使われていた建物が集まり、「北のウォール街」を形成。それぞれに活用されて、小樽の見どころのひとつとなっています。
実は北海道に度々来るようになるまで、ほとんど知らなかったルタオ。
北海道といえば、六花亭のマルセイバターサンドか、ROYCE'のチョコか、そのくらいしか知りませんでした。
毎年のように北海道へ遊びに来るようになってからは、相方にお土産でルタオのものを買って帰ったこともあった気がしますが、自分がまともに何かを食べたのは、今回が初めてでした。
バニラアイスと、たっぷりのクリームにキャラメルソースがかかったシフォン。
そら美味いわ。一瞬で食べ終わりました。
途中でかま栄のかまぼこ工場を少し見学したりしつつ、運河の昨夜撮った場所まで戻って来ました。
昼間はさすがに賑やかで、撮影するのも一苦労。
ここはどこの国だ?と思うくらい、外国語の飛び交う空間でした。
夜のライトアップも素敵でしたが、青空のもとで眺めるのもまた良いですね。
雪化粧した姿なんかも撮ってみたいところです。
「白い恋人」のホワイトチョコレートと北海道の牛乳で仕上げたソフトクリーム。
そもそも白い恋人をあまり食べたことがないので、白い恋人らしさを感じるかどうかはなんとも言いがたいところですが、味はもちろんめっちゃ美味い。
最近は東京で販売されるようになったり、各地で開催される物産展なんかでも食すことができるようですが、やはり食べるなら北海道で食べたいところですね。
このあたりでそろそろ時間切れ。
空港で少し多めに時間を取りたいこともあって(もちろんお土産を物色するためであって、飛行機を撮るためとかでは断じてない)、15時の列車と、名残惜しいですが早めの退散です。
もうあとは帰るだけですが、もう少しだけ、続きます。
夏の北海道満喫旅行 ⑥
この日は宿を小樽にとっていたので、17時前に車を返して、再び列車移動です。
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車の運転も終わったので、プシュッと缶ビールをあけたり。
夕暮れの車窓を眺めつつ、ふわふわした気分になったまま、いつのまにか寝ていました。
札幌到着前の車内チャイムに鉄道唱歌が流れて目が覚めて、最高の目覚まし音だなと思った、そんな列車でした。
小樽に着くのが遅くなるので、先に何かお腹に入れていこうと、札幌駅でお蕎麦を食べました。
北海道は幌加内産の美味しい蕎麦に満足したら、快速エアポートで小樽まで。
もうすっかり夜ということもあって細部を見るのは翌日に回しましたが、1934年築の歴史ある駅舎や、ホームの雰囲気に至るまで、小樽は素敵な駅でした。
小樽駅から小樽港に向かって中央通りという下り坂になった大通りが貫き、真正面には海が見えます。
さすがに夜に海を望むことは難しいですが、煌々と明かりを灯す客船が、そこに海があることを教えてくれました。
前述の中央通りをくだり、運河に近いホテルにチェックイン。
そして、この時のために持ってきた三脚を担ぎ、夜の撮影に繰り出しました。
修学旅行で来て以来の小樽。夜の姿を見るのは初めてです。
照らされた風格ある倉庫たちと、暖かい灯りの街灯。
わざわざ三脚を持って来た甲斐がありました。大満足の素敵な風景です。
せっかくの装備なので、いろんな場所からいろんな角度で写真を撮りました。
宿を運河近くでとったのは本当に正解でした。
夜の運河を見ない手はないですが、すでに夜は肌寒さも感じる北海道。
ちょこっと写真を撮りに行く、くらいの手軽さで運河へ行ける距離で宿をとるのをオススメしたいと思います。
運河の撮影に満足したあと、宿に帰る前に少し寄り道。
駅前からも見えていた、明るく光を放つ客船。ノルウェーの船なのだそうです。
あまり詳しくないですが、クルーズ船の中では割と小ぶりなのではないかなと思います。
一つ前の寄港地は、南樺太のコルサコフとのこと。樺太、行ってみたいなぁ。
一瞬雨がぱらついたり、肌寒さも増してきたので、宿に戻りました。
泊まった宿にはバーがあって、せっかくだからと、軽く一杯いただいてきました。
今回余市の蒸留所には行けませんでしたが、次回こそ行きたいと心に誓いながら、余市のウイスキーを。
ウイスキーは最近その美味しさを知ったばかりなので、まだまだ味の違いを語れる経験値はありませんが、ひたすら幸せを感じていました。
左に写っているのは、北海道で作られたチーズの盛り合わせ。
ずっとニコニコになる美味しさでした。
到着が遅かったので、この日の動きはこのくらい。
夜が明ければ、早くもこの旅最終日。
ガンガン楽しみ尽くします。
続きます。
夏の北海道満喫旅行 ⑤
旅は3日目を迎えます。この日はレンタカーを借りて行動しました。
レンタカーは「Peachきた北海道フリーパス」の特典で、補償込・給油不要で¥5,000/24h。
どうしても走行距離が長くなりがちな北海道で、給油不要は強すぎます。
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まず初めにやってきたのは、美瑛にあり「青い池」。
Mac OSの壁紙に採用されて話題になった頃から写真などは見たことがありましたが、
言うても写真は編集してるだけで、実際どうなん?と、正直思っていました。
・・・青いんですよ。本当に。
むしろ写真に撮ろうとするとその青みをうまく表現できなくて、
これは自分の目で見ないと伝わらない美しさだと感じました。
青さだけでなく、立ち枯れたカラマツが、またいい雰囲気を醸しているんですよね。
美瑛駅からバスも出ているようですが、駐車場から池までがビビるほど近いので、
レンタカーなど、車を使えるとかなりアクセスしやすい観光地だと思います。
朝イチ到着を目指して9時半には着きましたが、この時間はがっつり逆光になります。
見やすい時間は午後のようですね。
続いて、富良野線の美瑛駅へとやってきました。
前日にノロッコ号でも通った駅ですが、この素敵な駅舎を見たくて再訪問。
使われている石は美瑛周辺で採掘されていたものなのだそうで、まさしく街の玄関口にふさわしい佇まいです。
ちなみに、訪れたこの日(9月1日)はちょうど富良野線開業120周年の記念日だったようで、駅入り口付近に小さくですが、記念日を祝う旗が出ていました。
駅近くの「道の駅 びえい『丘のくら』」を軽く覗きに行くと、駐車場近くの踏切が鳴り始めました。
慌てて撮影した割には、気に入った感じに撮ることができました。
小道と、遮断機のない踏切、そして青空。良い雰囲気です。
時系列が少し前後するのですが、青い池から美瑛駅へと向かう途中、
明らかに旧型客車であろう白い車両が置かれているのに気がつきました。
ちょうど相方に運転を任せて、私は助手席にいたおかげで、車から撮影することができました。
調べてみたところ、この車体の形式はスヤ52-2で、保健車という国鉄職員の健康診断等を行う設備を有した事業用車だったようです。
もともとは1950年にスロ51-8として登場し、のちに北海道向け装備を持った車両としてスロ52-4に改番、1969年にスヤ52-2に改造され、最後は国鉄民営化直前の1986年に廃車という経歴だったようです。
ここ美瑛では「蜂の宿」というライダーハウスの居酒屋として活躍していたようで、どうも界隈では有名なところだったのだとか。
しかし、残念なことに、今年6月に閉鎖されてしまったそうです。
管理人の方のブログやツイッターなどを拝見させていただきましたが、切なくも前向きなことを書かれていて、
私はバイクにこそ乗りませんが、旅っていいよな、人との交流って楽しいんだよな、そんな気持ちを再確認しました。
今後の復興と活躍を心から応援する次第です。
美瑛から旭川方面へと戻る道すがら、少し遠回りして、忠別ダムに立ち寄りました。
しばらく前からダムにはまっている私なのですが、鉄道だけにとどまらず、相方を連れ回す始末。呆れられ要素は増えるばかりです。
重力式コンクリートダムとロックフィルダムの複合型(コンバインダム)である忠別ダムは、このタイプのダムとしては全国で2番目に堤高を誇り、小高い山と山の間にどっしりと構える姿は、少々恐怖心すら煽ります。
管理センターでダムカードもしっかりいただいて、私はルンルンです。
旭川の近くまで戻ってきて、お昼ご飯。
「オアシス」というスープカレー屋さんに行きました。
相方と昼食を何にするか相談する間に「スープカレー気になるね」となったのですが、
正直私はスープカレーにいい思い出がない(修学旅行で北海道に来た際食べたスープカレーがイマイチだった)ので、気になりつつも若干消極的。
でも、これは行ってよかった。スープカレーへのイメージがまるっと変わりました。
なんだこれは、もっと欲しい!と思うほど美味しいスパイスの効いたスープはもちろん、素揚げされた野菜たちや、ごろっと入った角煮も絶品。
なるほどなぁ、やっぱり美味しいものを食べてこそなんだよなぁ。
「イマイチだった」記憶はあくまでイマイチなものを食べたからであって、それで否定的になるのではなく、美味しいものを探し求めるべきなのだと教訓を得ました。
ごちそうさまでした。
美味しいスープカレーに舌鼓を打って満足したあとは、再び旭川の市街地から離れる方向に進路をとり、誰もが知る超有名どころ、旭山動物園にやってまいりました。
9月になって小・中・高等学校は夏休みが明けたこともあり、さらに平日であったこの日はさすがに人もまばら。
ゆったり動物たちを見て回ります。
到着して早々、ホッキョクグマの「もぐもぐタイム」が始まりました。
人がまばらとは言ったものの、さすがの人気パフォーマンスで、2部制にしたうえで、待機列後方では入場できないかもしれないと案内されるほどの集客具合でした。
我々は幸い、滑り込みセーフでしっかり見学することができました。
どっしりとしたカラダのホッキョクグマが、すいーっと水場を行ったり来たりしている姿は、クマらしい怖さもありながら、やはり見てて微笑ましく、楽しい時間でした。
旭山動物園は行動展示という、動物の行動や生活を見せることを主眼に置いたスタイルが国内外から注目されているようなのですが、
人間側と切り離されすぎていない空間づくりであったり、より近く、様々な視点から彼らを観察できるように工夫された「見せ方」は非常に興味深いものでした。
近すぎて、糞に注意!という場所がかなり多い印象も抱きました。面白い。
ヒツジの飼育舎もありました。
「いただきますパネル」と称して部位や食べ方を紹介するプレートが掲示されていて、一口に羊肉と言っても、定番のジンギスカンのみならず、こんなにも色々な食べ方がなされているのだなと、とても勉強になります。
「今日はこのエサ全然食べないのね」などと飼育員さんとお喋りする奥様や、
「ニンジンをたくさんいただいたんですよ〜」とブタたちのエサを持って来てくれる人がいたことが紹介されたりと、
旭山動物園の動物たちが地域の方々にもとても愛されていることもよくわかりました。
そんな旭山動物園も心ゆくまで楽しんで、ぼちぼち車を返す時間です。
西日が眩しくなって来た道を旭川駅へと走り、無事に北海道ドライブを終えました。
この日はこのあとしばし列車に乗って、この日の宿泊地へと向かいます。
続きます。
夏の北海道満喫旅行 ④
ファーム富田で素敵な花畑を眺めつつ、美味しいものもたくさん食べて、あっという間に時が過ぎました。
富良野線を北上して、この日の目的地である旭川へと向かいます。
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ラベンダー畑駅に戻ると、ちょうど富良野行きの普通列車が通過していきました。
JR東日本のキハ110系がベースであるこのキハ150系ですが、キハ110系よりも明るい色味の塗装なせいか、より軽快な印象ですね。
我々が乗車したノロッコ号は、この普通列車と中富良野で行き違いをした上でやってくるので、しばし待つことになります。
この日二度目のノロッコ号。
3往復しているうちの最終便で、唯一の旭川行きでもあります。
途中駅であるラベンダー畑からの乗車なので、座れなかったら嫌だなぁと思い、この便は指定席を取りました。
実際は美瑛からの乗車の方が多く、ラベンダー畑からなら自由席でも多分座れたんですが、まあそれはそれ。
乗車してからしばらくは、十勝岳をはじめとした山々に囲まれた、富良野盆地の景色を眺めながら走ります。
収穫の時期も近そうな稲穂の色に、季節を感じました。
列車は富良野線の直線的な線形もあってか、「ノロッコ」という割に、結構飛ばします。
そのため車内に入ってくる風も結構強く、早くも秋の涼しさのある北海道では、これが結構寒かったり。
美瑛らしさを感じる、なだらかな丘陵地帯を走るようになったところで、
美馬牛駅にて列車交換のため7分の停車。
のどかで、静かで、ゆったりとした時間が流れている、そんな気がする待ち時間。
駅の雰囲気か、はたまた響くディーゼルの音か。
列車旅の醍醐味を感じたように思いました。
遠くまで広がるなだらかな丘に、ポツリポツリと木が生えた、まさしく美瑛を感じさせる素敵な景色。
翌日この辺りは車でも走ったりしたのですが、まあ気持ち良いことこの上ありません。
以前スコットランドのハイランド地方へ行った時にも思ったのですが、こういう、なだらかに起伏のある地形が、木々に埋まることなく見える場所、大好きなんです。
美瑛を出てからは、列車交換のために運転停車する西神楽駅を除いて、ノンストップで走ります。
やっぱり、全然「ノロッコ」じゃない。
高架駅である旭川には、富良野線も忠別川の手前から高架でアプローチ。
沈んでゆく太陽に目を細めつつ、この日の列車旅も終了です。
無事に到着。
ここでいつもなら、あれこれとノロッコ号の写真を撮りまくるところなのですが、この日は一旦ノロッコ号を捨て置いて、飛んで行かねばならないところがありました。
それがこちら。
JR東日本のジョイフルトレイン「びゅうコースター風っこ」を借り受けて、宗谷本線で臨時運行がなされた、その名も「風っこそうや」です。
保安装置の関係からか、編成前後には控車として「北海道の恵み」仕様のキハ40を連結し、堂々の4両編成。
主役の「風っこ」が編成中間に入ってしまってやや目立ちませんが、賑やかで、特別感に溢れた列車です。
「風っこ」が北海道に来たという証拠写真といいますか、駅名標と一緒に写してみました。
いやはや、小牛田で寝ているところしか見たことがなかった「風っこ」を、まさか旭川で撮影できるとは。
本当にラッキーなタイミングでした。
横断幕にノボリ、柱のポスターからチラシまで、あらゆるPRがなされていた「風っこそうや」。
JR北海道の厳しい経営状態の中、より観光に特化した運営を行っていく施策として、JR東日本及び東急電鉄と協力したプロジェクトの第一弾でした。
来年には伊豆急行(東急)の「THE ROYAL EXPRESS」を走らせるという、これまたビッグなプロジェクト第二弾も控えていますから、それもまた楽しみなところです。
どうか、こうした施策が芽を出して、少しでもJR北海道が元気になってくれたらなと思います。
富良野でしっかり観光はしたものの、かなり鉄分が濃いめになってしまった2日目。
ここからはだんだん鉄分濃度が低くなっていきますが、相方には相当呆れられたことでしょう。
旭川到着後は、駅レンタカーで車を借りて(Peachきた北海道フリーパス特典:給油いらずで¥5,000/24h)、翌朝早くからのドライブに備えてゆっくりと休みました。
続きます。
夏の北海道満喫旅行 ③
臨時特急フラノラベンダーエクスプレスに乗って、富良野へとやってきました。
ファーム富田へ行くべく、もう少し列車に乗車します。
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乗客を降ろしたクリスタルエクスプレスは、一旦釧路方に引き上げたのち、
側線に移動して、しばらくの間休憩に入ります。
代わってホームには、これから乗車する富良野・美瑛ノロッコ号が入線してきました。
ラベンダー畑駅に停車するのは基本的に富良野・美瑛ノロッコ号のみなため、
こんな楽しくなる列車に、チョイ乗り感覚で乗車します。
便によって差はありますが、富良野からラベンダー畑までは、15分程度の乗車です。
田畑を突っ切る長い直線区間に、鉄パイプの骨組みと、板張りの床で作られた、簡単なホームが伸びています。
北海道には短い簡易なホームがあるだけの、仮乗降場が昇格した駅も数多くありますし、それを考えると、むしろ立派な駅と言えるのかもしれませんね。
ラベンダー畑駅からファーム富田までは目と鼻の先。
ラベンダーの最盛期はとっくに過ぎているものの、正面のバス駐車場には代わる代わる大型の観光バスが出入りし、観光客で賑わっていました。
そんな我々観光客をまず迎えてくれるのが、この色とりどりの花が一面に広がる、「花人の畑」。
ラベンダーのある時期ならば、奥の並木の向こう側に紫のラベンダー畑が広がっているようなのですが、これでも十分すぎる美しさです。
なだらかな斜面に広がる花畑と、遠くに広がる北海道らしい雄大な風景、そして、雲間に覗く青い空。
三脚を立てる人もいれば、仲間内で撮りあう人たち、立派なカメラで熱心に撮る人も。
これだけ素敵な景色を前にして、それを切り取って帰らない手段はないのです。
どこを向いてもいい景色。心がリフレッシュして行くのがわかる。
そんな豊かな気持ちが膨らむと、畑の脇に置かれたオブジェにも、楽しく心が踊る気がしてくるのです。
ファーム富田は山の斜面に沿って広がっているので、少し奥に行くと、このように富良野盆地に広がる平野部を見下ろすことができます。
山に囲まれた盆地であるにもかかわらず、この広々とした景色。さすが北海道です。
富良野線の普通列車はほとんどがキハ150による運転で、最初は「本当はキハ40を撮りたいんだけどな」なんて思っていたのですが、撮ってみるとキハ150も結構画になりますね。
「ラベさんがお散歩をしています」みたいな感じの園内放送がかかって、
何者だろうかと近づいてみたら、つぶらな瞳の彼がいました。
最初は一緒に写真撮ったり、よくいるマスコットキャラくらいに思っていたのですが、
しばらく動きを見ていたら、あれ?かわいいかも・・・?となりまして。
結局、相方はマスコットホルダー(お尻の辺りからラベンダーの香りがする謎仕様)を買ったりしていました。
ファーム富田についた頃はちょうどお昼時。
せっかくなので、ここでお昼ご飯も食べました。見てよし、食べてよし。
ホームページでフードメニューを見たときから気になっていたものを頼んでみました。
左手前は北海道産男爵いものポタージュ、奥が北海道産男爵いものラベンダーバター、右で蓋を開けているのが北海道産メークインのグラタン。
そもそもメニューの大半がジャガイモを使ったものなのですが、何も考えずに、美味しそう!という欲望に忠実に注文したら、ジャガイモオンリーな昼食になりました。
まあ、北海道のジャガイモってだけで美味しそうですもんね、仕方ない。
特にグラタンはモッツァレラチーズがたっぷり乗っていて、そんなん反則、美味しいに決まってるやんと思いながら、ガツガツ食べました。
ここに来たなら、ソフトクリームも食べないといけませんね。
高校時代に修学旅行で来た時も、ラベンダーのソフトクリームを食べました。
ラベンダーは外せないとして、まるまるラベンダーで行くか、半分他の味にするかで悩みました。
結局メロンと半々にしましたが、北海道ですからね、バニラも捨てがたい選択肢です。
ラベンダーの方は、甘すぎず、香りもくどすぎず。
メロンも期待通りの程よい甘さで、しっかりメロンを主張しつつも、ラベンダーの香りを消してしまわない、美味しい組み合わせでした。
見る撮る食べる、ファーム富田を一通りめぐったところで、
隣の敷地にある「とみたメロンハウス」なるところにも行ってみました。
富良野メロンを直売しているほか、メロンを使ったスイーツなども多々ありました。
個人的に、北海道といえば?と聞かれてメロンはあまり思い浮かばないのですが、
ブランドを考えると、夕張や富良野をはじめとして、確かに北海道は有名な産地でしたね。
生産量も一位なのかなと思って調べたら、北海道は二位。一位は茨城県でした。
で、また食べます。
メロンパンとかケーキのようなものもありましたが、ここはストレートに、カットメロンをいただきました。
私は基本的にメロンがそこまで好きではない(メロン系のスイーツは好きなんですが、メロンそのものは、別に嫌いでもないけど・・・程度)のですが、
あぁ、今まで私は「美味しいメロン」を食べたことがなかっただけなのだな・・・
と、しみじみ思うくらいにめちゃくちゃ美味しかったです。
ひとカットを相方と分けたのですが、こんなに美味しいならそれぞれ一つずつでも余裕で食べられたなと、少し後悔。
やっぱり、ちゃんと美味しいものを経験しないといけないってことですね。
とみたメロンハウスの奥には、ひまわりが咲き誇っていました。
ちょっと時期が遅いように感じますが、ファーム富田の「ファーム日誌」にも、
ひまわりが見頃を迎えているという投稿がちょうどこの頃ありましたので、
北海道ではひまわりのシーズンが本州より遅いか、長めなのかもしれません。
まだ旅の前半なのに、事あるごとに食べてばかりなので、
こりゃこの旅行中で一気に体重増えるなぁなどと笑いつつ、
ぼちぼち駅に戻らねばいけない時間になりました。
列車の都合もあって、4時間強とかなりのんびり時間をとったのに、時間が過ぎるのはあっという間です。
この日の目的地である旭川まで、まだまだ楽しく過ごします。
続きます。
夏の北海道満喫旅行 ②
札幌で美味しく夜を楽しんだ翌日、旅の本番はここからです。
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札幌から乗車したのは、夏のラベンダーシーズンを中心に運行される臨時特急、富良野ラベンダーエクスプレス。
ラベンダーが最も見頃を迎える7月ごろには2往復体制で運転されるこの列車ですが、この日は9月1日で、すでに3・4号の1往復のみとなっている時期でした。
充当される車両は、9月での引退が予定されている「クリスタルエクスプレス トマム&サホロ」。
引退発表よりも前から計画を立てていたので、まさか滑り込みセーフで乗る形になるとは思いませんでした。
「Peach きた北海道フリーパス」では、特急の自由席にも乗車可能です。
4両編成中、真ん中の2、3号車が自由席車なので、我々は2階建車両である3号車をチョイスしました。
きっと数多くの人が詳しく書かれていると思いますので私は軽くにしておきますが、車内の紹介を。
乗車した3号車は「キサロハ」の形式称号が示す通り、普通/グリーンの合造車。
2階が普通車で、写真の通り、4人がけボックスシートが並びます。
ボックスシートゆえにリクライニングはないものの、大きなテーブルや、ゆったりした作りが、リゾート列車らしさを醸していていい雰囲気です。
1階はグリーン個室になりますが、現在は多目的室として使われており、通常の販売には出ていないみたいでした。
その他、2階の一部と車端平屋部に、時代を感じさせるラウンジスペースがありました。
この「クリスタルエクスプレス」の一番の売りはやはり、先頭車の展望席かと思います。
名鉄パノラマカーや小田急ロマンスカーのように、運転台を2階に上げることで、
車両最前部まで客室を広げているスタイルの展望席です。
残念ながら2010年から安全対策として最前部の座席は撤去、
立ち入りも禁止となってしまいましたが、それでもやはり最前列の座席は人気のようでした。
前後の先頭車、1・4号車が指定席車に設定されています。
2号車はドームカー。
前面展望こそありませんが、床面高さは900mmもかさ上げされたハイデッカー車で(1・4号車も300mmかさ上げされている)、頭上には天窓、さらに屋根妻部にまで窓が付いている、非常に眺望の良い、開放感ある明るい車内です。
あんまり相方を放ったらかして車内散策をしていると怒られてしまう(すでに呆れられてはいる)ので、見るところをしっかり見たら、早々に自席に戻ります。
滝川で小休止を挟んで、列車は富良野に向けて根室本線へと入っていきます。
根室本線は新得から先しか乗ったことがなかったので、この区間は初乗車になります。
同じ「本線」ですが、複線電化で直線の続く函館本線から分岐すると、
そのローカル感は否めないところです。
滝川からは空知川に沿うようにして走ります。
芦別を出ると少し山がちになって、ダム建設に伴い付け替えられた長いトンネル(スノーシェルターを挟んで、合わせて8,000mを超える二つのトンネル)を抜けると、
終点の富良野に到着します。
札幌からちょうど2時間、無事に富良野に到着です。
根室本線の未乗区間は、これで富良野〜新得間のみとなりました。
まあ、その未乗区間が一番厄介なのですが・・・
着いた時は雲が多めで、薄着だと少し肌寒い感じでした。
また少し相方を待たせて、あちらこちらカメラに収めます。
「クリスタルエクスプレス トマム&サホロ」は、9月28〜29日に運転される、
特急クリスタルエクスプレスを最後に引退となってしまいますが、
その前にこうして乗って撮ってができたのは、本当に運が良かったと思います。
どうかラストランまで、無事に走りきれますように。
さて、富良野といえばやはりラベンダーが有名なわけですが、
その中でも最も有名な場所がファーム富田かと思います。
一応シーズン中である9月頭、臨時のラベンダー畑駅も営業されているので、
この日はまず、そちらを目指しました。
続きます。