テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

仮の姿の撮り納め。 ①

「新幹線の線路を、新幹線より先に走った」
という言葉を聞いて思い浮かぶのは、やはり阪急京都線でしょうか。
高槻市大山崎間にある東海道新幹線との並走区間では、新幹線建設に伴う高架(盛土)化の際に、阪急の列車が新幹線の線路を借りて走った時期がありました。
2300系はその頃を知る車両だったので、現役の頃は、それを考えるだけで胸が熱くなったものです。

時は進み、2015年。
再び新幹線の路盤を先に使う姿を目にすることができたのは、東海道新幹線と同じく大阪を目指して建設が進む、北陸新幹線の高架でした。

2022年に予定されている敦賀延伸に向け、建設、整備が行われている福井駅
JRに並行して福井駅に乗り入れるえちぜん鉄道も、新幹線建設とともに行われる連続立体交差事業により、高架駅になることになりました。
駅のスタイルについては紆余曲折あったそうですが、新幹線の延伸事情に左右されつつ、既存線(これも仮線だったそうですが)の直上に建設されることに。
このえちぜん鉄道の単独駅・高架線を建設する間、先に建設した新幹線用の高架を借りるという、今回のメインとなる状況が生まれたわけです。

そして今年。
いよいよ真の高架化を成し遂げるえちぜん鉄道の、1997年から続いた仮の姿の最後を記録して参りましたので、綴りたいと思います。

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まず、2015年春の写真から。
先ほども少し触れましたが、この線路も実は仮のもの。とはいえ京福時代の1997年3月から18年にわたり使用されていたので、仮というには長い期間ここを走っていたわけですね。
左手に見える高架が新幹線用のもので、この写真を撮った半年後に、えちぜん鉄道はそちらに引っ越します。

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2018年の姿。先々週撮ってきたものになります。
新幹線の路盤は車両の右下に見える丸い筒が並んだところになるはずなので、えち鉄の線路は配線の都合か、割と自由に敷いてある印象も受けます。
奇しくも、撮影している車両が1枚目のものと同じですね。

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広い画角でもう一枚。
新幹線規格の高架に在来線サイズが1両。やはりちょっと不釣り合いな感じがしますね。この違和感も、仮の姿ならではとしていい記録になるかもしれません。

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駅舎は、高架の下にプレハブ式のものが構えていました。
高架下に後付けしたとよくわかる姿が、仮のものなのだなとはっきり印象付けます。
そして、右端にちらっと映るのが新駅舎。

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仮の高架をバックに新駅舎を。
ガラス張りの側壁に、大きく口を開けた妻面。風通しの良く、開放感がありそうな駅なのかなという気がします。

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列車に乗り込み、まずは隣の新福井駅に移動します。
前面から望むこの景色は、新幹線になってしまえばもう見られない、今だけのもの。
福井駅からほど近い新福井駅は、当たり前ですが新幹線では駅などあるはずもない場所。何の変哲も無い高架上に、狭くホームを仮設したスタイルになっています。
こんなところにホームを設置できるのも、新幹線規格の幅広い効果と、在来線規格の車両との差がなせる技。新幹線の大きさを改めて感じます。

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新福井駅は、高架駅ながら構内踏切が存在する珍しい駅。
今後ここから線路を眺められるのは、保線作業員の方くらいでしょうか。

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勝山方面に出て行く列車を眺めます。
右側に映る線路が、供用開始に向け最終調整を行なっている、新しい高架線。
現在の仮高架は画面奥、200mほど行ったところで途切れていますが、新線は福井口駅までを含めて高架化され、福井口駅付近に存在する踏切が解消される予定です。

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JRの線路がすぐ隣を掠めて行くこの駅。
いい撮影地、かどうかは何とも言い難い場所ですが、このように高架上を走りゆく列車を撮影することができる、面白い場所でした。

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仮駅では福井方面駅のホームに接続していた階段。
この階段は仮のものではなく、新駅の勝山・三国港方面行きホームに通じる階段に転用されるようです。

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新福井駅の出入り口付近で。
これからが本番とばかりに変わって行くであろう福井駅周辺。
その中で、ここからの景色が、新幹線開業後まで一番変わらないのかもしれません。


えちぜん鉄道新線移行まであと数日。
今しか見られない姿をもう少し記録してあるので、次回まで続いてご紹介したいと思います。

続きます。