テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

さよなら583系、別れを告げる旅 ④

583系のラストランから一夜明けた4月9日、この日が僕にとって583系を撮影できる最後のチャンス。秋田駅にて、車両見学会が開催されました。

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受付をした後は、自分の班の列に並ぶだけ。
早朝から並ぶようなことをせずとも見学の権利を与えてもらえるほか、受付後も特にずっと並んでいる必要もないシステムで、かつ僕が知る限り大きな混乱も見受けられませんでしたから、非常に過ごしやすい待ち時間となりました。

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第1班の見学時間が近づいてくると、583系がゆっくりと入線。
これが僕の、動いている彼を最後に見た光景です。

それからしばらく。
列の修正が度々行われつつ、およそ予定の時刻通りにホームへ案内されました。

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ホームには何度見ても見飽きることのない顔が。

15分ほど用意された時間を使って、撮影タイムの始まりです。

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とりあえずは先頭から。

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控えめなJRマーク。

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方向幕は最初、「ふるさとゴロンと号」上野行きで設定。
この正方形に近い独特な方向幕もこれで見納めです。

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事前の応募制(もちろん応募して、あえなく落選)で開催された車内見学会の為に、車内もしっかりセッティング。
車外見学会のみの私などは、外から指をくわえて眺めるだけです・・・

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しばらくすると幕が回り、こんな表示も見ることができました。

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あっという間に終了時間が放送され始めました。早すぎる・・・!
みなさんまだまだ!という感じで、ギリギリまで、思う存分撮影されていました。

終了がコールされると、改札口に戻るのではなく、ホーム脇から直接駅構外へと案内されました。
受付時に渡された、首からかける参加者プレートを返却すると、参加記念のカードがもらえました。出口に設けられた特設グッズ売り場はえげつない混雑で、およそ並ぶ気にはなれずグッズは諦めていましたから、これは嬉しいお土産になりました。

この後2回目3回目と車外見学会に参加された方もいらっしゃったようですが、私はこれで583系とお別れ。

小さい頃は485系の色違い程度にしか思っていなかった彼ですが、大阪に引っ越してきて急行きたぐにに出会い、一気に惹き込まれる存在となりました。
今までにも何度か書いたことがあると思いますが、中学生風情が大した金を持っているわけでもなく、しかしどうしてもきたぐにに、583系に乗りたい。
そんな気持ちを晴らすべく、始発で京都に行って、自由席急行券片手に京都→大阪の30分程度だけの乗車を何度もやったものです。もう7、8年も前の話になりますね。
JR西日本の車両ももちろん大切な存在でしたが、心の中ではやはり、秋田や仙台の国鉄色が気になっていました。
何でもかんでも自由に遊べるというわけではない身の上、天理臨などで京都まで来てくれても、時間の都合上見に行くことはほとんどできませんでした。
そんな中で、甲子園臨のN1N2編成をようやくの思いで撮れた時はどんなに嬉しかったことか。実家から宮原の近くまで自転車を飛ばしたのはいい思い出です。
西の583系が完全に消滅してしまうと、いよいよ583系に会う機会は失われてしまいました。ただでさえ、今年で終わりだ、次の検査は通らない、そんな噂ばかりが聞こえて来ていた秋田の583系。新規に運用が発表されるたびに安堵のため息をついたものです。
ニコニコ超会議号で来阪すると聞いた時は大喜びしましたが、よく考えるといつのまにか大学生になって、自分は金沢に住んでいたり。それまでの超会議号なら北陸経由なのに、前年に北陸新幹線が開業したせいか素直に東海道本線経由で東京を目指すコースになってしまい、金沢では狙えない始末。来てくれるのを待っているだけでは永遠に会えないなと思い、夏には秋田まで会いに行きました。
ディズニーランドにはあまり興味がないけれど、わくわくドリーム号に乗るのもいいかもな、そう思っていた矢先、わくわくドリーム号からの撤退という噂が流れて来ました。そして、それは噂ではありませんでした。
それからしばらくして発表された今回のさよなら運転。決して縁の強い車両ではありませんでした。僕が勝手に好きで、夢見ていただけ。でも、本当に大好きな車両でした。
いよいよ引退か、ってなった時に、じゃあ見送りに行こうと決断できるだけのお金と時間があっとことが僕の最大の幸福でした。悔いはありません。
今、この編成は土崎の車両センターで留置されているそうですね。処遇はどうなるのでしょうか。何かいい知らせがあれば良いのですが。
とりあえずは、京都鉄博に行けばクハネ581がいるので、さみしくなったら会いに行こうと思います。

と、長々と思いを綴りましたが、そのくらい好きな車両でした。
さて、583系の見学会は終えましたが、まだもうしばらく秋田には用事があります。
というわけで、番外編、もう少しだけお付き合いください。続きます。