テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

究極のローカル線。

札沼線末端部リベンジは、無事にキハへの乗り継ぎを済ませ、順調に進んでいきます。
北海道医療大学を出ると、来年5月の廃止がアナウンスされている区間へ。
流れゆく車窓の一瞬一瞬を目に焼き付け、まるで自分の足で歩くかのような、鉄路を踏みしめて進むかのような気持ちで、旅を楽しみます。

イメージ 1
雪に埋もれる、車掌車改造の待合室。
北海道を旅していると度々見かける、このスタイルの待合室。
この写真は中小屋駅のもので、札沼線にはこのほかにも、石狩金沢、本中小屋でも見ることができました。
ポツンと置かれた改造待合室のその姿は、古い木造駅舎などとは違った方向性で、旅情を掻き立てられる趣があるなぁと、個人的には好きな存在です。

イメージ 2
こちらもまた、北の鉄路を思わせる景色。
石狩川の対岸を走る函館本線ほどではありませんが、札沼線も多くの区間で、遠くまで伸びるまっすぐな線路を見ることができます。
北海道のスケールを感じますね。

イメージ 3
石狩当別から20分少々が経ち、石狩月形に到着。
ここで、列車はしばらく停車します。理由はもちろん、列車の交換です。
札沼線はここから先、終点の新十津川に至るまでの約30キロにわたり、一閉塞区間となります。すなわち、この先に入線できるのは1列車のみということ。
先ほど石狩当別で切り離し、先に出発した浦臼行きが、折り返して帰ってくるのを待たねばならないというわけです。

イメージ 4
車両の深夜留置があるほか、現在では札沼線非電化区間唯一の交換駅であり、スタフの取り扱いがあることから、石狩当別以北では唯一の社員配置駅となっています。
駅舎も立派です。

イメージ 5
駅前通り。
廃線後は「駅前」ではなくなってしまいますが、石狩当別から浦臼までは代替バスが新設されることになっているようですので、駅はバスターミナルなど、今後はまた違った姿となって、そこに向かうこの道も活躍してくれるといいななんて思ったり。

イメージ 6
17分ほど待って、ようやく浦臼からの列車が近づいて来ました。

イメージ 7
401と402、たった2両の400番台が、ここで並びます。
交換する石狩当別行きには、待合室にいた奥様方が乗り込み、決して多いとは言えないものの、利用者はいるんだよなと感じました。

イメージ 8
スタフの交換風景。
スタフ閉塞が用いられているJRの線区はほかに、越美北線名松線のみで、非常に貴重な存在。(転換三セクなどの地方路線では、ほかにも例がある)
越美北線は昨年訪れましたので、今年は名松線にも是非乗りたいところです。
平成も終わろうかというこの時代に、こうして人を介して列車が動くアナログ感。
いい画になりますね。

スタフが交換され、こちら側の列車の行く先が開通したので、いざ出発です。

イメージ 9
一閉塞区間へと入り、いよいよ末端部も深まって来た新十津川行き。
再び小さな駅舎や待合室が可愛らしい駅に停まりつつ、浦臼までやって来ました。
浦臼は、先ほど交換した列車がここまで来ていたように、札沼線非電化区間の多くの列車は、ここまでやって来ます。
現在でこそ一閉塞区間内の棒線駅になっていますが、かつては札沼北線の始発駅であったほか、新十津川~石狩沼田間が廃止になる前は、札沼線の南北で系統を分ける拠点駅としても機能した駅でした。
先ほども書いたように、石狩当別からここまでは、廃線後も代替バスが設定されるようです。

そして。

イメージ 10
かつて交換可能駅で会ったことをうかがわせるカーブの先に伸びる線路。
いよいよ、「究極のローカル線」へと突入です。
時刻は午前9時6分。
新十津川行きの終電が、浦臼駅を出発しました。

続きます。