テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

標高2,156mの星空

北アルプスの最高峰を擁する穂高岳
岐阜県高山市と長野県松本市の境界に聳えるこの山には、その岐阜県側に、新穂高ロープウェイが通っています。
どこの山でも大抵そうですが、ロープウェイは日中、陽のあるうちの運行が基本。
そんな中で、新穂高ロープウェイでは夏と秋の期間限定で、星空鑑賞特別便という、山上で星を眺めるための臨時便を運行してくれています。
標高2,000m以上の山から見上げる星空は、さぞ綺麗であろう!ということで、特別便の運行初日である8月4日、レンタカーを走らせ飛騨の山中へと行ってまいりました。

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やってきたのは第2ロープウェイの麓駅、しらかば平。
すでに標高1,308mとそこそこに高いのですが、ここまでは自家用車で乗り入れることが可能です。
200mほど下ったところにある新穂高温泉駅から、しらかば平駅にほど近い鍋平高原駅までの第1ロープウェイもあるのですが、夏の特別便は第2ロープウェイのみの運行でしたので、今回はここからの乗車になりました。

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新穂高ロープウェイの第2ロープウェイは、ゴンドラが二階建てになっていることで有名です。二階建てゴンドラは日本でここが唯一ですね。
車内に階段があったりするわけではないので、乗ってしまえば普通のゴンドラと大きな差異は感じられませんでしたが、大ぶりな車体は見ていて迫力のあるものでした。

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あっという間に800mほど標高を上げ、西穂高口駅へ。
5階建てのこの駅の屋上が展望台となっており、アクセスは最高。お手軽です。

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ちょうど日没時刻といったタイミングで到着。
ロープウェイで登ってきた方角、北西方向を望むと、目の前には標高2,898mの笠ヶ岳が構えます。
ほぼ360°見渡すことのできるこの展望台。
南を向けば焼岳が、北東に向けば穂高岳がその姿を見せてくれます。

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まだ西の方が薄く明るい中、ちらほらと星が見え始めます。
この辺りで、ロープウェイ職員さんによる星空ガイドがスタート。
星空鑑賞の準備ということで、まずは方角について指南。
しばらくして見える星が増えてきたなという頃合いで、北極星についても案内がありました。
レーザーポインターを夜空に照射してどれがどの星だ、と教えてもらえるのは非常にわかりやすく、星に詳しくない私にはありがたいガイドでした。

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そして、星空の撮影にも力を入れました。
自分の持っている装備を最大限活かして、なんとか満足のいく写真を撮ろうと試行錯誤です。

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天の川をしっかり認識できたのはいつ以来か。もしかすると初めてかもしれません。
写真の左上から真ん中にかけて見える、もやっとした雲のような部分。このモヤモヤした光が、実は数多の恒星の集まりで、銀河を内側から見ているためにこのような姿をしているという天の川。なんとも壮大で、魅入られてしまいます。

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個人的には今回撮った中で最高だと思った一枚。
10~15分に1本くらいの間隔で、何度か頭上を過ぎ去った(らしい)流れ星。
星を撮影するのに必死で、自分の目ではそれを見ることができなかったのですが、なんと、撮った写真のど真ん中に写り込んでいました。嬉しすぎる!
星が多過ぎてややわかりにくいのですが、流れ星の右上あたりには、北斗七星も見ることができます。どの星が北斗七星を構成する星々か、わかりますか?


満足いく写真が撮れたところで、気がつけばロープウェイの最終便の時間。
早めに着いたつもりでしたが、星空に見惚れていたら、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
帰る前に少しお土産コーナーなんかを覗いて、麓へ、そして金沢へと戻りました。


満天の星空とはこのことか!と感動に次ぐ感動の嵐だったこの日。
写真では伝えきれない素晴らしい眺めでしたので、ぜひ実際に足を運んで、皆さん自身の目で見ていただけたらいいんだろうなと思いました。
今度は自分の足で山に登って、こんな夜空を眺めたいな。

新穂高ロープウェイの星空鑑賞特別便は、夏の運行がおととい、19日で終了してしまったので、次は11月2日~4日と、16・17日の秋の便になります。
より空気が澄んで、もっと素敵な夜空を見られることだと思います。

標高2,156mは、夏真っ盛りの8月でも気温が20℃を下回り、半袖では厳しかった(上着を持っていってよかった)ので、秋の便では、しっかりとした防寒対策が必要そうですね。

以上です。