テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

日本の最東端へ!

釧網本線に乗って、流氷を眺めつつ釧路へとやってきました。

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釧路は、地方の大きい街にある国鉄駅の雰囲気がよく残る感じ。
まずは駅近くに取った宿に荷物を預け、遅めの昼食を探しに出かけます。

せっかく釧路に来たのだから、美味しい海産物をいただきたいところ。
向かった先は、駅から歩いてすぐのところにある「和商市場」という市場です。
釧路観光の定番スポットで、「勝手丼」なる海鮮丼が有名なのだとか。

・・・しかし!正直、海鮮丼はいらんのです。それは金沢でも食える。
僕も金沢の定番観光地、近江町市場でアルバイトをしている身。もちろん釧路と金沢ではまた違うこともあるんでしょうけれども、新鮮な刺身はお口に満足しているのです。

と、いうわけで。

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市場の端にある定食屋さん?でいただくことにしました。
まずはこちら、糠さんま定食を注文。
さんまといえば秋の魚ですが、旬の時期に糠漬けにして、美味しいさんまを長く楽しめるようにしたのがこの糠さんまなのだそう。さんま漁が盛んな厚岸をはじめとして、釧路周辺の漁師町で広く親しまれている味とのことでした。
お味の方は、脂ののったさんま本来の味に加えて、糠漬けされた塩味もあり、しかし糠くささはない、絶妙な美味しさ。
今回は定食で頼んだのでご飯や汁物もついて来ましたが、これはお酒とともに食べるのもまたありだなあと感じる一品でした。

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続きまして。これが食べたかったのだ!!と期待に溢れて注文したのがこちら、ホッケの開き。産地は羅臼とのこと。
ホッケって、こんなに美味しかったのか!?と、ホッケに対する評価がまるっと変わるほど肉厚・ジューシー。ついつい、おぉ、、と声が漏れてしまいました。
お皿に書かれた~Delicious~という言葉にも偽りはなし。(出てきたときは、チープな皿だなぁと感じたのですが)
魚の美味しいところへ行くとついつい海鮮丼へと走ってしまいがちですが、こっちを選んだ自分を褒めてあげたいくらいにはナイスな昼食となりました。

さて、美味しいものを食して幸せになったらば、駅に戻ってもう少しテツを。

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ホームへ向かうと、隣には首都圏色の車両が!これはラッキー。
今までにも全国各地で見かけたことのある首都圏色のキハ40ですが、北海道仕様車の独特の雰囲気は、さらに特別感を高めて感じられます。

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乗るのはこちら。根室本線の中でも釧路より東、いわゆる花咲線の列車です。
キハ54が来るかなと思っていたら、まさかキハ40に乗れるとは。北海道でこの系列の車両に乗車するのは初めてです。
ボックスシートに陣取って、根室まで往復5時間の長旅がスタートです。

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細い根室半島の中でも意外と内陸を走る花咲線ですが、釧路から1時間くらいのところにある厚岸付近では海を望むこともできました。

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厚岸の駅を出てからしばらくは、牡蠣の養殖で知られる厚岸湖、そして別寒辺牛(べかんべうし)湿原を右手に眺めて走ります。
別寒辺牛湿原は僕もパソコンだと変換もしてくれないくらいにはマイナーな湿原ですが、逆に最も有名であろう釧路湿原とはまた違う雰囲気を持った湿原で、より湿原を楽しめるシーズンにはどんな景色が広がるのだろうかと想像してしまいます。
僕が行った時にはこの通り、雪で埋め尽くされ、雪原と化していました。

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釧路からおよそ2時間半。
すっかり陽も落ちて暗くなり、車窓も望めなくなりながら、ついに根室へと到着しました。
日本最東端の駅は一つ隣の東根室駅になってしまいますが、紛れもなく、ここから先に伸びる線路はもうありません。

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ホームの端にも、このような看板が。
最西端は佐世保駅ということになっていますが、これはJRで、ということなんですかね?
佐世保にも、たびら平戸口にも、そして那覇空港にも、どんどん行かないといけませんね。

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釧路からここまで、意外と乗り通す人が多く(しかもテツではなく、ビジネスマン的な人が多かった)、元気な花咲線を辿って来たキハ40。
時刻は19時になろうかという頃。折り返しの列車は、上り最終列車です。
ここまで来たのとはうって変わって、乗客は僕一人。
暗闇に沈む最東端の線路を、ディーゼルの音とともに釧路へと引き返しました。

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最後に、正真正銘日本最東端の駅となる、東根室駅の駅名標を。
次なる端っこは、西となるか、南となるか。日本全国、次はどこへ行こうか。旅の目的地は、制覇しては思いつくばかりです。

車内をまるまる独り占めしながら、持って来た小説をのんびりと読む。そんな贅沢な時間を過ごしながら、釧路へ戻ってこの日の旅を終えました。続きます。