テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

空中鉄道

ドイツでの2泊目はハノーファーというところで。
ハノーファー、日本でも聞いたことがある人は結構おられるのではないでしょうか。
ハノーバー電車」で知られる広島電鉄200形は、1988年に広島市ハノーファー市が姉妹提携を結んで5周年を記念して寄贈されたもの。
ハノーファーには路面電車博物館があり、そこでも同型車が動態保存されているようです。

と、日本にもゆかりのあるこの街ですが、今回は特に何をするわけでもなく、泊まっただけで翌朝にはさっさと出発してしまいました。

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向かった先はヴッパータールという、デュッセルドルフ郊外の街。
ここは、この旅行でイギリス以外にも行くと決めた時に、絶対に寄りたいと思っていた場所なのです。

さて、ここには何があるのかと言いますと・・・

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モノレール!ここには懸垂式のモノレールが走っているのです。
しかも、ただのモノレールではありません。現存する最古の懸垂式モノレールです。

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ヴッパータール空中鉄道と呼ばれるこのモノレールの開業は、1901年のこと。
後述しますが、オイゲン・ランゲン式という構造のモノレールは世界でも唯一ここでしか採用されていない様式で、歴史もさることながら、技術的にも興味深いモノレールです。

とりあえず、東側の終点となるオーバーバルメン駅まで乗車。

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しばしこの特徴的な空中鉄道を撮影。

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路線はその7割強がブッパー川の真上を走ります。

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さて、オイゲン・ランゲン式について少々。
桁上に敷かれた鋼鉄製のレールに、両フランジ型の車輪で走行するスタイル。
写真でもわかるように、台車とレールをつなぐアームは進行方向右側に寄った片持ち式。このため、車体は左右非対称となり、進行方向も一方に制限されます。

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進行方向が制限されるゆえに、終着駅ではこのようにぐるーっとUターンして車体の向きを変えます。
ちょっと非合理な部分もあるせいか、先ほども書いた通り、このシステムが採用されているのは世界でここだけ。このUターンを見るだけでも価値があると思います。
なお、細部が異なりますが、上野動物園を走る都営の上野懸垂線では類似したスタイルとなっています。こちらは単線なので、Uターンはしませんが。

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最後に、ラッキーなことに出会えたレア物を。
なんと開業当時のドイツ皇帝・ヴィルヘルム2世が乗車したお召し車両の走行場面に遭遇。動態保存されているのは事前に調べて知っていましたが、まさか実際に見ることができるとは思わなかったので、本当にラッキーでした。

いいものを見れて気分も良く、来てよかったー!と空中鉄道を後にしました。
この日はデュッセルドルフ泊。ドイツ旅ももうすぐ終わり。
でも、旅はもう少し続きます。