テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

カレドニアン・スリーパー

グレンフィナンの高架橋を撮ったのを締めに、スコットランドを巡る旅も終了。
グラスゴーまで戻って、乗車するのは寝台列車カレドニアン・スリーパーです!

イメージ 1
出発時刻の1時間以上前に入線している、なんだか特別なかんじ。
イギリスを含めてヨーロッパには客車列車が今も多く存在していますが、夜行列車というのは何か雰囲気が違います。

イメージ 2
今回のお部屋は1等個室!
他に2等個室と座席車がありまして、部屋そのものは2等と同じものになります。
ただ、2等は二段寝台になっていて、一人で予約した際には誰かと相部屋になる場合があります。
誰かと交流するのも楽しそうですが、めったに乗れない寝台列車ですから、人に気を使わず色々観察したいということもありまして、奮発した1等なのです。

イメージ 3
ちなみに、座席車はこんな雰囲気。
他の列車の2等車と同じ扱いだった思いますが、ご覧の通り、座席はゆったり1等車級です。

イメージ 4
ラウンジカーもしっかり連結。テーブル席と、奥にソファー席もあります。
ここは寝台車利用客のみが使える設備で、混雑時には1等利用者専用になるようです。座席車の乗客も、売店で軽食などを購入することはできるみたいでした。

イメージ 5
テーブルについて、ビールを注文。
夜行列車のラウンジで酒を飲むという、未成年の頃からの長い夢が、イギリスで叶いました。ビールがうまいのなんの・・・

イメージ 6
部屋に戻って、アメニティをチェック。
歯ブラシとかクシの類が入っているのかと思えば、タオルやソープなどのシャワーグッズから、アイマスク、耳栓などの就寝アイテムまで、想像以上の充実っぷり。
列車自体にシャワールームなどはありませんが、1等車利用客はユーストン駅など一部の駅でシャワーを無料で利用できます。
せっかくなので、これらのアメニティグッズは記念品として持ち帰りました。

イメージ 7
面白いなと思ったのが、室内にあるこの部分。

イメージ 8
ふたを開けると洗面台が出現!!
身の回りの手入れをいちいちトイレなどに行かずにできるのは最高ですね。
日本でも収納式の洗面台を持つ車両がありましたが、そちらを実際に見ることはできずじまいでした。。
収納式ではないですが、サンライズエクスプレスのシングルデラックスには洗面台がありますね。

イメージ 9
ちょっと部屋の外に出て。
車両の片側に寄せられた激せま通路、これもまた寝台列車らしいですね。

イメージ 10
夜が明けまして、午前6時。
乗車時に指定しておいた時刻に、先ほども述べた、1等車利用客への朝食がサーブされます。なお、料金を払えば2等車にも持ってきてくれるみたいです。
今回の朝食は、スモークサーモンとスクランブルエッグ。(コーヒーも選べますが)もちろん紅茶もついてきて、素敵な朝を迎えることができます。
定刻では7時過ぎに到着予定なので、早めの6時に持ってきてもらって、これを食べながら景色を眺めようという魂胆です。

・・・が、写真を撮っていざ食べようという時に、列車のスピードが落ちてきて、どこかの駅に停車。
ここはどこだろう?と思って窓の外に駅名標を探すと、ユーストンという駅でした。
???ユーストン???それってロンドン、終点では・・・?
というわけで、なんと1時間早く終点に着いてしまったのです!!
7時40分ごろまでは車内にいても良いということだったので、朝食をとる時間などは問題ありませんでしたが、うーん。どうしてそんなに早く着く・・・?
乗車時に、「列車が大幅に遅延した際、先にロンドンへ着く列車への乗り換えを希望するか」という質問をされたので、定刻から外れるなら送れるものばかりと思っていました。完全にフェイントをかけられた気分です。
景色を見るどころか、むしろ外から人に見られるんじゃないかという感じだったので、ブラインドを下げ、ちょっぴり寂しく朝食をいただきました。

イメージ 11
大幅な早着という、日本ではまあ起こり得ない衝撃的な事件が早朝からあったものの、無事にロンドンへと戻ってくることができました。
そもそも鉄道の運賃がお高いヨーロッパにおいて、さらに料金のかかる夜行列車は安い乗り物ではありません。とはいえ、今や日本でほとんど経験できない寝台列車の旅であることや、夜の間に長距離の移動ができて時間の有効活用にもなると考えると、非常に良い列車だなと思います。
日本では高速道路の拡充や航空機の低価格化により、夜行列車というものがおよそ失われてしまったわけですが、やはり旅情も他を頭一つ抜きん出ている点でも、このままみすみす失われていくのを見過ごすというのは悔しいところ。
JR西日本が計画中の低価格な長距離列車というのも、夜行になりそうな雰囲気が強そうですよね。豪華クルーズトレインが流行りですが、もちろんそれも発展したらいいとは思いながらも、我々が(比較的)手軽に乗りやすい、楽しい夜行列車が復活したら嬉しいなと、強く感じさせる一晩でした。

この後は、ロンドン滞在の前にもう少しだけぶらり旅。続きます。