テツの箱をつくる人の徒然

「電車小像の鉄道日記」を放ったらかして1年。ブログ、再開しました。

桜宮橋に見る「汽車会社」

「汽車会社」と言えば、国鉄の前身である逓信省鉄道作業局の230形蒸気機関車から、国鉄の車両(一部を担うことが多かったようですが)だけでもD51やC62、485系583系、80系、101系、103系113系…果ては初代新幹線の0系まで、製造された車両をあげればきりがないですが、とにかく日本の鉄道製造を牽引した一大メーカーです。
1972年に川崎重工に吸収合併されました。
社名は「汽車製造株式会社」なので、汽車製造と呼ぶべきかもなのですが、僕の中では汽車会社と言う方がしっくりきます。

…で、その汽車会社。
鉄道車両の製造はもちろんなわけですが、橋梁の建設を行っていたとは知りませんでした。

大川(旧淀川の本流分岐点の毛馬閘門から中之島まで)に架かる桜宮橋。桜の通り抜けで毎年賑わいを見せる造幣局のそばにある、国道1号線の道路橋です。
銀色の塗装から、銀橋と呼ばれることもあるとか。
先日、ランニング中にこの橋を渡った時にふと製造銘板をみたら…

イメージ 1


まさかの汽車会社製だったのでびっくり。
製造年、これは昭和8年か?と思ったら、「昭和五年」でした(笑)
昭和5年、西暦だと1930年です。
右から左へ読むように書かれているのも時代を感じますね。
ちなみに昭和5(1930)年は何があった年か調べてみましたが、目に付いたものをピックアップすると…
・1月1日 鉄道省が全線でメートル法実施
・1月21日 ロンドン海軍軍縮会議スタート
・3月12日 ガンディーの「塩の行進」スタート
・3月15日 横須賀線が電車化
・5月12日 重巡洋艦高雄進水
・7月13日 第1回FIFAワールド杯開催
・10月1日 東京~神戸間に特急燕運行開始

趣味的に目に付いたものと、授業で習いそうなことをあげてみましたが、驚いたのがワールドカップ
サッカーにはあまり興味を持っていないのですが、FIFAワールドカップってこんな昔からやってるんですね。驚きです。
ウルグアイで開催されて、ウルグアイが優勝したそうです。
日本は出場してません。

話が逸れまくりました(汗)
桜宮橋の話に戻ります。

たまたま見つけた汽車会社の製造銘板でしたが、まさかここだけってことはないだろうと思い、調べました。
Wikipediaさんには橋梁建設のことなんて書いてなかったんですが、やはり桜宮橋だけなんてことはないようで、日本全国に様々なスタイルの橋が汽車会社によって建設されていました。
時代もかなり長期に渡っていて、明治時代の割と汽車会社初期のものから、1970年代の吸収合併直前のものまであるようです。
大阪だと、中之島に架かる天神橋が汽車会社製みたいです。

イメージ 2


びっしりとリベットが打ち込まれ、分厚く、いかにも頑丈そうな雰囲気。
1930年当時、バックに見えるOAPのビルのような高層建造物も少なかったでしょうが、この重厚な橋はどんな雰囲気で架かっていたのでしょう…
対照的に、見た目もすっきりした隣の橋は、2006年に国道1号線の拡張に伴い架橋された新桜宮橋です。設計はかの有名な安藤忠雄氏。

例えば法隆寺だったり、そういう明治大正昭和なんてまだまだ新しいと言わんばかりの建造物は世の中にたくさんあるわけですが、こういう、日本が近代化を急いだ時期の工業的建造物といいますか、そういうのは心をより動かされます。
もちろん、古い日本的建築物も好きですが。最近は平等院に行きたいです。
綺麗になってから行けてないんですよね…
う、宇治だからユーフォニアムがどうとかなんのことやら。

あんまり汽車会社に関して何かっていう記事ではありませんでしたが、製造銘板を見つけてややテンション上がったランニングの日の回顧でした。

以上です。